読書感想文『熊とワルツを』

トムデマルコのリスク管理の著作「熊とワルツを」を読みました。
最近一気にトムデマルコの本を読みまくったなぁ。


熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理

熊とワルツを - リスクを愉しむプロジェクト管理



評価:★★★★★




ゆとりの法則やデッドラインに比べると読みにくいかもしれない。
特に数学が苦手な人にはとっつきにくい項目が多々ある。


数学はむしろ好きなほうだが、リスクを関数的に計算するあたりが少し読みづらかった。


が、読み終わってみると本当に得るものが多い本だったと思う。
リスク管理については、先輩たちから教わった事のおさらいだったが、最近のプロジェクトでリスク管理が甘くなっていたと反省させられた。
リスク管理以上に勉強になったのは、プロジェクトの効果の測定についてだ。
最近はコスト削減を目的としたプロジェクトを行う事が多いのだが、効果測定を行うのはプロジェクト初期段階の予算を確保する時だけになっていた。


決裁が通ってしまえばそれで終わり。




プロジェクト終了後にプロジェクト結果報告書を作成するが、それは今回のプロジェクトで良かった点や、見直す点をまとめ、次のプロジェクトに生かすためのものであって、そのプロジェクト立ち上げ時に最初に描いた費用対効果を実現できたかには言及していなかった。


それではダメだ。




会社のお金を使わせてもらってプロジェクトをやっている以上、そのプロジェクトが予算確保時の計画通りに終わったのかズレがあったのかは測定する義務がある。
トムデマルコの本を読んでいるとソフトウェア生産社会では、リスク管理を行わないのが当たり前、費用はかかるが効果は「やらなければならないから」といったことが多い事に気付く。
エンジニアの環境で成長したせいか、私自身もそうなっていた事に気付いた。
研修などでマーケティングの講義を受けると、よくPDCAサイクルの話を聞くが、その都度「そんなの知ってるよ」と思っていた。


でも実際にはPDまでしかできていない。


同じチーム内でお店を運営していくことになり、今後売上を上げるための施策をどんどんやっていくことになるが、その都度C、Aを行わなければならないなぁと痛感した。
私もプロジェクトが終わるたびに、結果を測定し、必要であればチーム内で共有していこうと思う。