読書感想文「デッドライン」

お気に入りのトム・デマルコの本を1冊読破しました。


デッドライン

デッドライン



評価:★★★★★



プロジェクトを成功させる(失敗させる)ためのいくつかのエッセンスを物語形式で解説している。
著者のトム・デマルコが相対性理論を一番理解できたのが、光の速度が25km/hの世界の物語を読んだときだったらしく、その物語の手法を真似てデッドラインを書いたらしい。


ソフトウェアプロジェクトマネージャ経験豊富だった、主人公トムキンスはある日、共産国の国家プロジェクトのマネージャになる。
そこでは、1500人で6つのソフトウェアを作るというプロジェクトが動くのだが、
1500人という豊富な人材を利用して、ソフトウェア製造プロジェクトで、人数が多すぎた場合、
少なすぎた場合、プレッシャーを強くかけた場合、などなどのプロジェクト管理実験が行われる。


途中上司が変わってプロジェクトの期限が短くされたり、
要件が増えたりという問題が起こるが、トムキンスは巧みに乗り越えていく。


トム・デマルコの他の著書である、「熊とワルツを」で言及されているリスク管理
「ゆとりの法則」で言及されているゆとりと変化の重要性、「ピープルウェア」で
言及されているチームワークについてなどが本書の中で一通り触れられている。


いきなり「ピープルウェア」などを読むのはしんどいという人にお勧めかなぁ。
最初に「ゆとりの法則」を読んで、次に「デッドライン」、「ピープルウェア」、
「熊とワルツを」の順番が個人的にはお勧め。